牧阿佐美バレヱ団は、1956年、日本バレエ界の草分けの一人である橘秋子(1907年-1971年、牧阿佐美の母)により1933年に設立された橘バレヱ研究所、橘秋子バレヱ団を母体として創設された。2016年に創立60年を迎えた。幅広い作品のレパートリーと、高度なトレーニングを積んだダンサーの水準の高さとにより、世界のバレエシーンの第一線で多彩な活動を展開している。1971(昭和46)年より1994(平成6)年までは牧阿佐美が、また同年以降は三谷恭三が総監督を務める。
上演作品はチャイコフスキーの三大バレエ『眠れる森の美女』『白鳥の湖』『くるみ割り人形』をはじめとする主要な古典全幕、文学作品をバレエ化した『ロメオとジュリエット』などのほか、サー・フレデリック・アシュトンの『リーズの結婚~ラ・フィーユ・マル・ガルデ~』、『三銃士』や『ホフマン物語』など、日本初演となった全幕作品も数多く手がけている。
ジョージ・バランシン振付の『セレナーデ』『アポロ』『ルビー』やナチョ・ドゥアト振付の『カミング・トゥギャザー』などの著名な振付家の作品にも積極的に取り組み、とりわけ近年は、フランスを代表する世界的な振付家ローラン・プティの傑作『ノートルダム・ド・パリ』『アルルの女』『若者と死』などの日本初演を果たした。
また創立45周年を迎えた2001年、プティの振付・演出による新作『デューク・エリントン・バレエ』の世界初演を実現させ、ジャズとクラシック・バレエの洗練されたコラボレーションとして大きな話題を呼んだ。
1970年代より海外公演を行っているほか、新しい全幕作品の創作にも積極的に取り組んでいる。芥川也寸志や團伊玖麿など、わが国を代表する作曲家の音楽による日本の歴史に題材をとった創作にも意欲的に取り組んでおり、主な作品に「飛鳥物語」「角兵衛獅子」「北斗」がある。
創立50年を迎えた2006年、島田雅彦の原作、三枝成彰の作曲、牧阿佐美、三谷恭三、ドミニク・ウォルシュの共同振付、そしてルイザ・スピナテッリによる美術と衣裳デザインで、新作「À Bientôt ア ビアント だから、さよならはいわないよ」を上演し、時空を超えた愛の物語として広く注目を集めた。
また、2016年に新制作した、日本を舞台とした物語『飛鳥 ASUKA』では、プロジェクションマッピングの映像演出を大胆に取り入れた舞台美術も話題を呼び、2019年1月に行ったウラジオストクのマリインスキー劇場での公演は大成功を収めた。
このような高い水準の活動は、関連団体の橘バレヱ学校やAMステューデンツにおける一貫した教育システムによる充実したバレエダンサーの育成、ならびに指導の成果として、内外より高い評価を得ている。また海外から著名な振付家、美術家、教師、舞踊家らを招聘し、活気溢れる芸術交流の場としても高い評価を得ている。
1973年…アバディーン国際ユースフェスティバル(英スコットランド)
1978年…ツアー(イタリア、フランス、イギリス、イスラエル、香港ユース国際ダンスフェスティバル)
1982年…パルレアック(フランス)
1984年…香港ユース国際ダンスフェスティバル
1985年…アバディーン国際ユースフェスティバル(英スコットランド)
1990年…旧ソビエト公演(旧レニングラード、モスクワ)
2005年…バルセロナ(スペイン、ティボリ劇場)、パリ(シャンゼリゼ劇場)、ビアリッツ(フランス、ガール・デュ・ミディ劇場)
2006年…スペイン(マドリード、キャップ・ローチ、サンセバスチャン、ラス・パルマス、サンタンデル)
2014年…グラナダフェスティバル
2019年…ロシア ウラジオストク公演
牧阿佐美バレエ団は1956年に創立し、2016年で60周年を迎えました。
60周年記念事業の一環として、『牧阿佐美バレヱ団60年史』を発行いたしました。
年史では、バレヱ団創立の基盤となった日本バレエ草創期における橘秋子の活躍から、現在に至る約100年の軌跡を時系列で紹介します。
牧阿佐美の育てた多くのバレエダンサーたちの活躍や珠玉の作品の数々、多くの来日舞踊家、芸術家、文化人との交流、そして新国立劇場設立から今日に至るまで。
それぞれの時代を、貴重な写真や文献、そしてダンサーたちの証言によって辿ります。
定 価 | 22,000円(税込) |
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体 裁 | 約400頁 化粧箱入り |
監 修 | 山野博大 |
編 集 | 川島京子 |
編集協力 | 牧阿佐美バレヱ団60年史編集委員会 |
発 行 | 2016年8月27日 |
『牧阿佐美バレヱ団・60周年史』をご購入したい方は、ご注文票(PDFファイル)をプリントアウトして、必要事項を明記し、FAXまたは郵送にてお申込み下さい。
ご注文票にある《お振込先》口座に代金を振り込んで下さい。ご入金の確認後、商品を発送いたします。
〈第一分冊〉
第一期 1907年~1995年
「日本にバレエが生まれたころ~橘秋子の功績」
橘秋子と牧幹夫/パヴロバ・バレエスクール時代/橘秋子舞踊研究所設立/牧阿佐美デビュー/ 戦時下での慰問公演/橘バレヱ学校設立/ダニロワとの出会い/牧阿佐美アメリカ留学
第二期 1956年~1971年
「牧阿佐美バレヱ団誕生~母の下で」
牧阿佐美バレヱ団結成/『飛鳥物語』発表/ダニロワ引退公演/『飛鳥物語』改訂と牧阿佐美の負傷/ 定期公演開始/シュヴェツォフ招騁/橘秋子と若手芸術家たち/牧幹夫と橘秋子の死
〈第二分冊〉
第三期 1972年~1993年
「バトンは手渡された~牧阿佐美の時代へ」
富ヶ谷での再スタート/日本児童バレヱ設立/橘秋子記念財団設立/AMステューデンツ発足/ 日本バレエフェスティバル/来日舞踊教師たちと日本初演/ZIPANGU'89/ソビエト公演
第四期 1994年~2015年
「多様化する社会とともに新たな展開」
三谷恭三芸術監督誕生/ダンス・ヴァンテアン/ローラン・プティとの交流/牧阿佐美新国立劇場芸術監督就任/高円宮憲仁親王殿下追悼『ア ビアント』/ 牧阿佐美再びバレエ団へ
別添資料:活動詳細年表
全ダンサー名一覧 (橘バレヱ学校、牧阿佐美バレヱ団、日本ジュニアバレヱ、AMステューデンツ、牧阿佐美バレエ塾)